ウェブプレスの印刷読み物

ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。

テーマ:印刷デザインにまつわる話

【31】印刷の線数

印刷にはそれぞれの条件によって設定されている線数(網点)があり、網点によって写真や文字などを表現しています。

網点の細かさは、1インチ(約2.54cm)あたりに配置される網点の数を指します。網点の数値が大きれば大きいほど線数が細かいということになります。また、紙の種類によって線数が異なります。新聞の更紙など85〜100線、雑誌などは150〜300線、高品質なものになると300線以上というふうに用途によって変わります。印刷会社によっても異なりますがその紙に適した線数になります。

デザインの技法でわざと網点を大きくし、二次元的に見せるデザインもありますが、基本は紙に適した線数で印刷します。紙の版下時代には1色ものに限ってですが、写真や文字をフィルムに撮影する前にあらかじめ網をかけて制作していました。

原理は今と同じで印刷する紙によって線数を変えていて、フィルムに撮影された時にはすでに網点が振られている状態でした。それは製版作業の手間が省けて画期的な技法でした。ただ、写真に網をかけるだけなのですが網点に角度があって、絵柄とその角度の組み合わせが悪いとモアレ(ニュートンリング)などが発生し、度々問題が発生していました。

今でも複雑な模様の服や建物の屋根など、線数が細くなればなるほどモアレを引き起こしたりします。

現在はモアレ消しなどがあってトラブルも解消されるようになりました。モニーター色の表現の仕方と印刷色の表現の仕方が異なるため、視覚的に当然見え方も違ってきます。過去にお客様からパソコンで作った物と印刷で上がってきた物と色が違うと、問い合わせがあったこともあります。モニターはRGBで印刷はCMYKと使っている色が違うのでそう見えてしまいます。

黒自体もいろんな色の集合体なので絶対はないにしろ、近くて誤差の少ないところを使っていれば大差ないです。これが印刷の場合、線数によって色がベタッとなってしまったり、インクが乗りにくかったりするので濃い薄いが出てきます。

あとは紙質で変わってきますので、単に赤と言っても朱色に見えたりピンクに見えたり様々なので、コンピューターと技術で安定した印刷ができるようにシステム化されています。

線数と言っても奥が深くてややこしいのですが、この種類の紙には◯◯線、この系統には◯◯線という風に決めておけば問題ないです。これは印刷屋さんの事ですが、そうやって商品によって変えているということです。また機会があれば虫眼鏡か何かで印刷物を見てやってください。網点が見えてきます。

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