ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。
テーマ:印刷デザインにまつわる話
【06】作図機
まだ、マックやウインドゥズが活躍していなかった時の話ですが、版下を作る際に方眼用紙にロットリングで線を引き、写植を張り込み、写真製版したものを合成して版下を製作していました。
この版下作業に画期的な作図機が登場して、かなりの時間短縮ができました。
というのもロットリングでまっすぐな線を引く、塗りつぶすなどという作業が一瞬でできてしまったからです。
神経を使い、手が震えるのを抑え、あの細い糸のようなロットリングのペン先からインクが擦れないように…その後擦れて真っ黒にならないようにドライヤーで乾かしてから写植を貼りこんでいく。
この作業時間が物凄くかかるのです。
それが一瞬で丸や三角、四角、図形であれば一瞬で描いてしまう。そんな便利ものが登場したので一気に作業時間が短くなり効率よく作業が進みました。
また、製版フィルムとも連携がとれており、製版作業の時間短縮にも繋がっていました。この段階であの地獄のような版下作業(笑)が物凄く楽になりました。
方眼紙に鉛筆でラフスケッチを描き、それを天板のような台に貼り、カーソルで図形を選択し点で拾っていく。グリッドが効いているので歪んだりはせず丸や四角が簡単に引ける仕組みです。
チラシ自体は複雑な図形は少ないのでさほど難しいものではなかったです。どちらかといえばラフスケッチに時間がかかっていたように思います。
それはそれで楽しかったのですが印刷には納期があるのでやはり効率性を求めていました。
この作図機、当時は物凄く活躍したのですが、やはり図形だけの話で文字とは別物なので限界があり、そこまで止まりで終わってしまいました。
その次に図形と文字が融合した機械が導入されました。
これもまた願ったり叶ったりで、文字と図形の処理が同時にできるのでデザインする上でとても効率よくできたのを憶えています。
ただ、難点なのは図形は簡単に対応できたのですが文字(書体)の世界に入ると奥が深いので対応に追われました(汗)
今ではマックやウィンドウズでイラストレーター、フォトショップのソフトを使い、写真・配色まで完結してしまえるのですが当時からすれば夢のまた夢みたいな感じです。
この作図機ですが方眼用紙に描かれた線をカーソルで拾っていく際に「ピッ!」と音が鳴るのです。そして連続して点を拾っていくと「ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ…!」これがたまらなく楽しくて(笑)懐かしく思います。。