ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。
テーマ:印刷デザインにまつわる話
【12】名刺
私が入社当時は、名刺の仕事が少なくて、他の仕事のついでにとか、封筒と一緒にだとかほとんどがついでみたいな感じで入ってきていました。
元より写植屋さんが印字された紙の端の方に申し訳程度に打ち込まれていたのを記憶しております。
スタイルも今のようなカラフルなというか個性的な名刺はあまり見なかったように思います。縦書きで、会社名が右上端で名前がセンターであとは左隅に固める。といった単純なものが主流でした。
それがいつしか斜めにしたり白抜きにしたり、色を変えたり、イラストを入れたり。写真が入った名刺も見かけます。どれも個性的な名刺でいいと思います。
名刺の由来を調べてみると江戸時代に医師や商人などが相手に自分の名前や所属を伝えるために用いた「名入り紙」というものが起源とされていて、当時は身分証がなくて自分の名前と所属を伝える手段として使われていたそうです。
今の時代に必要ないのではとか思ってしまいますが、この名刺というものを足で運んで実際に手渡し、残しておくことでスマホやネットなどを開かなくとも置いてあるものを見れば十分なので、なくならない人気の秘密でもあります。
200枚、300枚注文する方がおられて何カ月後かに再度リピートされる方もおられます。この前、印刷したのに…と思うことがあります。想像ですが、この方大勢の人に手渡してるんだなぁ、走り回ってるんだなぁすごいなぁと思います。
名刺には名前だけではなく、ほとんどがお店の名前や会社名が入っていることが多いです。
これは、名刺を持って行った個人だけではなく、お店や会社のアピールにもつながりますし、きっかけを持つ重要なアイテムとも言えます。お店専用の名刺もあります。飲食店に行った帰り際にもらっていくやつです。スタンプカードはなおさらです。料理が美味しかったので、また次の機会に行こう!となった時に活躍します。
マイナンバーカードや免許証、保険証などと違って法的効力みたいことは一切ないですが「名刺」と言うことだけあって、その人を表すものなのでやはりデザインも考えてしまいます。
外国の方は名刺交換ってやっているのでしょうか。そういう文化があるのでしょうか…。などインターネットで調べてみると、やはりあるようで外国の方は紙質にこだわると書いてありました。今まで紙質なんて重要視していなかったので大変勉強になります。
インターネットの時代にたかが名刺ですが、人と人をつなぐ重要なアイテムなので捨てたものではありません。これからの名刺制作には一層の努力をしていきたいと思います。