ウェブプレスの印刷読み物

ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。

テーマ:印刷デザインにまつわる話

【18】飾り罫

新聞のコラムや伝票の周りに囲みとしてよく使われていた飾り罫、飾り枠というのがあります。

草模様のものもあれば幾何学的な模様もあり、様々なところに使われていました。デザイン的に強調したい部分の囲みや文章と文章の間仕切りなどにも使ってました。文章物のアクセントにも使ったりもしていました。新聞物には必ずと言っていいほど使っていたので必需品とも言えます。

最近ではあまり見られなくなって、デザイン的に古く感じられるようになったのでしょうか、あまり見かけなくなってきました。

紙版下時代にはさまざまな飾り罫を1本1本カメラで撮影した物をデザインボードに糊付けし、ストックしておきます。必要な時にカッターで1本1本拾いながら、添え定規をして貼り混んでいきます。角丸にする場合は少しずつ切れ目を入れて文章を囲っていきます。あまり使われない柄は何カ月もデザインボードに貼り付けたままで、糊が張り付いてしまって剥がすのに一苦労しました。

この飾り枠の利点はロットリングで線を引かなくていいので、私個人的には好きでした。と言うより助かりました。

ロットリングで線を引くとインクが擦れて版下を汚したりするので、それに変われる切ったり貼ったり、何度でも繰り返し使える飾り罫のほうが断然楽でしたので、そういう意味で助かりました。さらに見栄えも良くなるので言うことなしのアイテムでした。

飾り罫は細いので糊のついている面積が少なく、貼り終えた後は必ず定規で抑えて、カッターの後部で定規の上から叩きながら動かないようにしていました。紙版下と言うのはほとんど工作で、色々な部品を紙ボードに貼り付けていく。と言う作業でしたので、飾り罫は部品としてたくさんの種類をストックしていました。こういう部品を準備していくことで作業の効率化を測っていました。

イラストレーターの中にライブラリーというのがあるのですが、そういう感じの物です。

紙版下は全て手作りなのでフィルムに抑えられた後はお役目終了です。撮り終えた紙版下は他のデザインなどに使い回すため、部品取りとして2、3カ月保管後処分します。

精魂込めて作った物なので別れ惜しいのですが、積み重なっていくとどの仕事でどう使ったのかが把握しづらくなります。そうなるとただのゴミになってしまうので期間を設けて処分していました。

デジタル化した今でも稀に飾り罫を使うことがあります。今はデータとして保存できるので処分することはないのですが簡単に作れるし、手に入るので必要ないです。

これからも飾り罫を使う場面は少ないですがひとつのアイテムとして準備しています。

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