ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。
テーマ:印刷デザインにまつわる話
【19】組版機
以前、作図機のお話をしたことがあるのですが、その延長線にある組版機というのが登場しましてこれを扱うのに大変な苦労がありました。
現在のソフトとは違って融通の利かないハードの時代でしたので、コンピューターが故障したりすると大変なことになりまして、1日中仕事にならないことも多々ありました。
納期もタイトなものが主流で、冷や汗と焦りでアップアップしていたのを覚えています。
製作工程はまず、方眼紙に鉛筆でデザインを起こし、そのデザインされたものに入れるタイトルやキャッチコピー、商品名、値段などの内容をワープロで文字入力をします。
会社のロゴなどはスキャナーで取り込み、番号をつけて保存しておき、写真は別ルートで製版時に合成するので、あたり枠だけ引いて開けておきます。
そして方眼紙を台の上に置きモニターを見ながらカーソルで拾っていきます。文字や文章は予め設定しておいたフォントや級数を番号で呼び出し、それにあてがって流し込んでいきます。
デジタルとアナログの融合みたいな感じで製作していたので思ってもいないものができたり、上手くいかないことが多々ありました。
モニターもブラウン管で今のモニターほど綺麗なものでもなく1日中見ていると目が酷く疲れました。
フォントは1書体ずつ取り込んでハードに入っているものの、無い文字や作字と言ったものも多く、デジタルなのですが結構手間がかかるというかアナログな部分が多かったように思います。
組版機の作業はここまでで、配色や写真合成は次のステップへと回します。当然配色指示や写真のトリミングなど細かく指示することとなりますが現在のMacのように図形、文字、写真、色など1画面上で完結できませんでした。組版機は図形と白黒の文字だけなのであとは想像しながら作っていくのでなかなかのものです。
今思えば、そんな離れ業というか製作が成り立っていたのか不思議に思います。
1色のチラシなら未だしも4色使うともなれば…今では考えられない仕組みだと思います。特に、B3、B2などの大判で両面刷り、しかも大量の文字が羅列する…目が回ります。納期も短くて、もう変な汗が滲みでて追い込まれた状況も何度かありました。
しかし、その組版機は優秀で直接フィルムに焼くことができました。1色ものに限りましたが出来上がったものをダイレクトにフィルムで出力できたので1色もの関しては完結することができました。
当時そういう部分ではかなり優れた機械ではありましたが、それを現像機に通して…今では考えられないですよね。紙版下時代からは、かなり進んではいたのですがまだまだ苦労しました。
それ以降はMacに移行していったので組版機の話はここまでです。
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