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テーマ:印刷デザインにまつわる話
【27】写植の魅力
最近では、ほとんど聞かれなくなった「写植」。写植とは何か、どのように発展してきたのかを紹介します。
写植は活版印刷に代わる新しい製版技術として登場し、1960年代以降急速に普及しました。写植機を使ってテキストや画像を直接フィルムに出力することで、従来の手作業による組版に比べ、はるかに生産性が向上しました。また、フォントやレイアウトの自由度が高まり、より創造的な表現が可能になりました。
写植は「写真植字」の略で、文字を写真の原理を用いて印刷する技術です。これにより、以前の金属活字に代わって、より自由なデザインが可能になりました。写植は、文字を光学的に印刷する方法で、文字をフィルムに焼き付けることで印刷版を作成します。
利点は、文字のサイズやスタイルを自由に変更できることです。
例えば、特定のフォントを選んだり、文字の間隔を調整したりすることが容易です。これにより、デザイナーはよりクリエイティブな表現が可能になりました。
しかしながら時代が移り変わりにつれ、印刷プレートの作成や設備投資が必要で、初期コストが高い、デジタル印刷に比べて、印刷内容の変更や修正が難しいため、柔軟性に欠けるなどを理由に、次第に需要もなくなってきました。当時の写植屋さんに「この文字盤100万するんですよ」と聞いた事があります。高価なものにすごく驚いて、大変なもののように思いました。
デジタル印刷技術の進化により、写植の需要は減少していますが、特定のニーズに応じて依然として利用されています。特に、高品質な印刷を必要とする書籍や専門的な印刷物では、写植が選ばれることがあります。また、デジタル写植技術の進展により、従来の写植よりも効率的で柔軟性のある印刷方法が増えてきています。
このように写植は、印刷物の質的向上と制作効率化に大きく貢献してきました。特に、新聞やマガジン、パンフレットなどの印刷物制作において、写植は必要不可欠な技術となっています。今日の印刷物の高品質化や多様化は、写植技術の発展なくしては成り立たないと言えます。
今後、個別化やオンデマンド印刷の需要が高まる中で、写植の特性を活かした新しいビジネスモデルが期待されると思われます。
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