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テーマ:印刷デザインにまつわる話
【16】トンボ
印刷データを制作にあたって必要になってくるのが「トンボ」というもので、しるしやアタリに使われます。
これがないと印刷はもちろんですが、複数の絵を重ねるのにだいたい、これぐらいといった曖昧なものになってしまうので印刷物には必ず必要で、印刷用のデータ制作から版に焼き付けるまでに重要な役割を果たします。
オンデマンド印刷ですと企画サイズであればダイレクトに出力できますが、ことが印刷機となれば他コンピューターも介しますので必要になってきます。オンデマンドであっても変則サイズともなれば必ず必要になってきます。
トンボというものは仕上がりに見えてはいけないものですが、印刷や加工に必要なものです。トンボには意味があって仕上がりサイズ、写真や色が断ち切れて仕上がりが綺麗に見える塗り足し、見当合わせの十字トンボ。どれも重要な役割を果たします。
トンボのないデータだと、仕上がりサイズを確認してからトンボを付加します。
紙版下時代ではロットリング(細い製図ペン)で四隅とセンターに十字トンボを書いていました。ミシン目、折り目などにもトンボを書き足し、後加工にも必要になるトンボも重要な役割を果たしておりました。
過去にシルクスクリーン印刷に携わったときにも見当を合わせるために十字トンボを書いた覚えがあります。
アドビのイラストレーターで簡単にトンボを書く事ができ、図形にトリムマークとすると自動でトンボを書くことができます。線の色はデフォルトでレジストレーションになっており、アタリ以外で使うのであれば線の色を変える必要があります。
先ほど紙版下時代と言いましたが、この時代はトンボを引けたら一人前と言うぐらい大変な作業でした。真っ白な紙に直角に十字を切って、添定規で寸法を出していき線を引いていきます。職人技でした。まっすぐな線に神経を注ぎ、直角が命で線を引く途中、力みすぎて線が曲がったり汗などで線を擦ってしまったり、直角が出ていないと四角が書けないなどいろいろ大変でした。トンボで始まってトンボで終わるといっても過言ではなかったです。
しかし今では一瞬で付加する事ができます。簡単にはできるのですがトンボには意味がある以上重要な役割を果たすのでおろそかにはできません。
最近ではオンデマンドで完結してしまう事が多いのでトンボの存在を忘れてしまうこともありますが、基本的にはトンボをつけるので一連の重要性を確認していきながら進めたいと思います。