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ウェブプレスの印刷読み物

ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。

テーマ:印刷デザインにまつわる話

【17】表組

印刷物の中によく挿入される表組ですが、パソコンがなかった時代は、それはもう言葉にできないぐらい大変な作業でした。

ロットリングや烏口といった製図道具を使い線を1本1本引いていくのですが、尋常じゃない緊張感で表組一つ一つを仕上げていました。

手配した写植文字を張り込んでいく際も均等にカッターを使って並べていくという職人技で…この表組だけで1日が経つぐらいの作業内容でした。そこに校正を含め修正が絡むと、もう目も当てられません。

今では考えられませんが表組があるというだけで大変な思いをしました。あまりにも作業が厄介なので写植屋さんに頼み込んで、文字と一緒に表を組んでもらうことも多々ありました。

グラフなども同じようなもので、大変な作業でした。円グラフは特殊なコンパスで線を引いて制作していました。今ではイラストレーターでブレンドオプションなどを使ってあっという間に作れますが、当時はそういう訳にはいきません。

表が何段にも分かれていている場合には、ディバイザーというコンパスのような製図道具を使って、ピッチをあわせながら線を引いていきます。

ディバイザーの針で印をつけていき、それを目印に線を引いていきます。

表組だけでは印刷物は成り立ちませんが、表組ができれば印刷物が出来上がったも同然の喜びがありました。現在ではイラストレーターでブレンドオプションを使うと線と線の間隔を勝手に計算して、思った数の線を一瞬で引いてくれます。しかも本数を間違えても何度でも引き直す事ができ、大きさや太さも自由に変える事ができます。

今、表組やグラフを見てもなんとも思いませんが、当時は表組に手こずったので、営業さんから表組に修正があると聞かされた時には、仕事を休んでやろうかと思うほど苦手な作業でした。

同業の友人に◯◯の表を2日間寝ないで作り込んだ!と聞かされたことがあります。大変だったなー!と言う会話をしたのを覚えていますが、今の時代で2日寝ないで表を作り込んだ!など、笑い話にもなりません。そんな大変な時代があったのです。懐かしい思い出ですが、必要な過程だったと思います。

線1本1本を引くのに大変な努力をしましたが、今ではそういう技術も必要もなく、楽に作業が出来るようになりました。楽になった分、他のところのデザインやレイアウトに注力を注げるので制作が楽しくなりました。

これからもっとたくさんのチラシや印刷物の制作に意欲を湧き立たせて取り組んでいきたいと思います。

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