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テーマ:印刷知識いろいろ

データの不備について|濃度オーバー

入稿データをいただいてから弊社でデータチェックする際に、お客様のデータに不備が見受けられる事がございます。データに不備があった場合、再入稿いただくこととなり場合によっては商品の発送が遅れてしまう事もございます。 データ入稿いただく際は最終確認を行った上でご入稿お願いいたします。

今回はデータの不備についてではなくデータ作成の際にご注意いただきたいことの中の1つ 「濃度オーバー」について説明させていただきます。

濃度オーバーとは

輪転機で印刷する場合、C(シアン)+M(マゼンタ)+Y(イエロー)+K(ブラック)の4つの版をK → C → M → Y の順番で押し重ねて印刷します。

そのCMYK4色の濃度の合計数値が一定値より高くなってしまうことを「濃度オーバー」と弊社では呼ばせて頂いております。

そのインク濃度がそれぞれ高いと重ねていく分インク濃度が高くなります。

インク濃度が高いまま印刷に進行することはもちろん可能ですが、CMYK4色の合計数値があまりに高い状態で印刷に進行すると、多くのインクを用紙に乗せる事となり、様々なトラブルの原因となります。

ここからは濃度が高すぎる事によるトラブルの例を挙げさせて頂きたいと思います。

裏写り

この言葉は一般的にもよくつかわれる言葉でございますのでだいたいの意味は皆さんご存じとは思いますが、印刷面の反対側に印刷面のインクが染みだしてきたり紙を透かして見えてしまったりといった状態を指します。

特に薄い用紙や更紙を使っていただいた際によく起こる現象でもあります。

汚れ

こちらは多量のインクを使用し印刷した際にインクが乾ききらずその状態で重なった他の印刷物に色が不着してしまったり、または他の印刷物が重なった際に擦れてしまう事で汚れが発生します。

写真やオブジェクトの潰れ

あまりに濃い色味で印刷に進行されると、印刷機で色味の差を表現しきれずに明暗やコントラストがつぶれてしまう事もあります。

それによって作成時に画面で見たお写真と実際に刷り上がった商品とで差が出てしまう結果となる事もしばしばあります。

このようにあまりにも濃いインク濃度での印刷を行うと、様々なトラブルの原因となるばかりか仕上がりが悪くなってしまう事もございます。

データ作成の際は特に注意していただけますと印刷事故を減らす事ができますと共に仕上がりも良くなると思います。

濃度が高かった場合の対応

インク濃度が高い場合お客様に弊社からお客様に下記内容をお伝えさせていただきご選択いただいております。

①お客様側でインク濃度を弊社推奨濃度に修正して再入稿

コート紙なら280%以内に、それ以外の用紙なら260%以内まで落としていただき再入稿いただく。

再入稿の場合、納期のご相談となり納期が間に合わない可能性がございます。

②弊社で濃度を全体的に落とさせていただく。

インク濃度が高いページのみだけ濃度を落とすだけではなく全体(全ページ)に機械で調整させていただきます。そのため色味等変わってしまう恐れがございます。

色味に関しましては予めご了承をお願いしております。極端に赤から青に変わるなど大きく色味が変わるわけではないかと思われますが、近しい色に合わせて全体的(全ページ)に調整させていただきます。

③このまま汚れがでる可能性をご了承の上印刷に進行させていただく。

もちろんこのまま印刷することも可能ですが、汚れや裏移りする原因となる可能性がございますので 、予めこちらをご了承の上での進行となります。

最後に

濃度オーバーのデータの場合、上記3つの選択肢からお客様の都合等を考慮していただき、お客様にご判断をしていただいております。

いずれにしてもお客様にご連絡をさせていただき、お客様にご判断をしていただく必要がありますので、どうしてもお時間・お手間をお掛けすることとなりますので、データ作成・ご入稿の際にはご注意くださいませ。

なお、濃度の問題がある際に、お客様とご連絡がとれない場合には、納期遅延になってしまう為、やむを得ず弊社判断にて②③いずれかで印刷を行う場合がございます。その判断に対してのクレーム等にはご対応できません。あらかじめご了承ください。

【次回】

次回インク濃度が高くなる原因などお話させていただきます。

参考にいただければ幸いです。

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