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テーマ:各国の印刷物の歴史【全3話】
【02】アメリカの印刷の歴史について
印刷とは一般的にはインクを用いて紙などの媒体に文字や絵を何らかの方法で写して再現することを指します。印刷によって再現されたものを『印刷物』と呼びます。
印刷の技術が世界で初めて発祥したのは東南アジア地方であるとされ、その技術が現在の中国に渡って発展を遂げ、シルクロードを通じて欧州や伝わったという説が有力です。
日本にも中国から朝鮮を経由し、伝わりました。
新大陸発見と入植から始まったアメリカの印刷の歴史
ではアメリカにはどのようにして印刷の技術が伝わったのでしょうか?
アメリカは新大陸としてコロンブスに発見されるまでは先住民族、いわゆるネイティブアメリカンが独自の文化発展させていた未開の地でした。
南米大陸にはマヤ文明などの高度な文明が古くから存在し、当然独自の文字も存在しており、遺跡などから当時の文書なども発掘されています。
ごく原始的なハンコのような印刷技術ならそういった古代文明にも存在した可能性はあります。
しかしアメリカの印刷の歴史が本格的に始まったのは新大陸発見以降の開拓時代からと考えていいでしょう。
ヨーロッパ諸国がアメリカ大陸に入植し、植民地としました。その後、独立戦争によって1787年にアメリカ合衆国が成立します。
この過程で大量に持ち込まれた欧州文化の中の一つに印刷技術もあったと思われます。
詰まるところアメリカの印刷の歴史はヨーロッパの印刷の歴史の延長上にあると考えてOKです。
その後はアメリカ人による印刷技術の革新も
現在のアメリカは欧州の民族が大陸に入植して建国されたという歴史があるため文化は欧州文化が下地となっているといえます。
建国当時に既に近代化していたアメリカはそこから史上稀にみる急速な発展を遂げ、わずか200年程度で世界一の経済力、軍事力を誇る大国となります。
印刷技術もアメリカで独自に開発された新技術がいくつかあります。
1808年にはアメリカのパーキンスという人物が銅凸版法という印刷技術を開発します。
さらに1829年にはジョンソンという人物によって画期的な活字鋳造機が発明されました。
1867年に誕生したタイプライターはアメリカ製です。
1885年にアイブスという人物が網写真版と3色版制作。同年、マーゲンタイラーという人物が自動鋳造植字機の「ライノタイプ」を発明しました。
1886年にはレビー兄弟が網目スクリーンの試作に成功。
1887年にランストンという人物がモノタイプ鋳植機を考案、この二年後に試作機を世に送り出します。
以上のようにアメリカの歴史が始まってから100年の間にアメリカ人によって印刷技術の革新的な発明がいくつも成し遂げられました。
アメリカは欧州諸国と比べると歴史の浅い国ですが、文化のベースは当時最も近代化していた欧州のものをベースとしており、印刷の歴史も欧州の延長上にあります。
その後アメリカ人による印刷技術の革新的な発見も数多く存在します。