ウェブプレスの印刷読み物

ウェブプレスの安マンとスタッフが、チラシ印刷やタブロイド新聞印刷などの、印刷に関する事から、デザインやデータ作成、商品の始まりや用語の語源など、色々な事を書き綴っています。

テーマ:印刷デザインにまつわる話

【08】差し替え

紙版下時代の話です。

差し替え版は、ルミナーベース(透明のフィルム)に差し替える内容の文字や図形を被せて、何枚かに分けて作業をしていました。店舗によって異なる値段やイベント。さらに内容は同じもので店舗が差し替わるといった具合です。
セル漫画のように何枚も重ねてチラシなどの版下を制作していくのです。

イラストレーターで言うところのレイヤーみたいな感じのバリアブル印刷です。

これが、簡単ではあるのですが見当を合わせるトンボのずれや紙やフィルムの伸縮によって生まれる歪みなどには苦労しました。当時のやり方としてはこれ以外になかったので、それなりの技術が必要でした。

現在ではレイヤーで分ける、インデザインで流し込む…他、いろいろな方法で簡単に差し替えすることができます。
当時は、ルミナーベース(透明のフィルム)何枚も重ねて分厚くなった版下を1枚1枚フィルムに抑えて製版してもらっていました。

よく、「○○○の仕事で差し替えあり」と営業さんから言われるのが常でしたが4色カラー印刷だと大変なことになります。
版が嵩むとその分、お値段が上がってしまうので、そこはスミ版1色の差し替えになるように工夫していました。
紙の版下1枚に上から下から左右からルミナーベースが重なっていて、飛び出す絵本みたいになっていました。しかも、紙の版下というのは1回ポッキリなので、毎回1から作っていましたので大変な労力です。

使い回しが効かない訳ではないのですが、線を消したり書き足したり…そちらのほうが結局汚れたり、破れたり、ボロボロになるので毎回毎回1から作っていました。
校正から帰ってきて1度の修正ならまだしも2度3度…大幅な変更…もう心が折れそうになることもしばしばありました。

差し替えの修正も多々ありました。あの店舗の値段がまだ決まらない。次のイベントの日程が決まらないなど…様々です。
納期があるのでそんな時は、本体のみ製版を進めて後に差し替え版を作る。こういったこともしばしばありました。
当時はカッターを片手に走り回っていました。想像するに悍ましいですが(笑)そうやって紙の版下時代が過ぎました。今では、差し替えありと言われても苦にはならないです。

…こういう事を言うと申し訳ないのですが、当時は「え”っ!」って感じです。
余計なものが…という気持ちでした。
今では許される限り何個でもOKです(笑)
やり方は違いますが原理は同じなので迷う事はありません。
それと、カッターを片手に走り回る事もないのでもう大丈夫です(笑)

差し替えについて昔と今を重ねてみました。ありがとうございました。

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